研究分野
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人文・社会 / 日本語学
取得学位
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修士(文学),東北大学,2009年03月
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学士(文学),ペンシルベニア州立大学,2006年05月
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学士(文学),ペンシルベニア州立大学,2006年05月
所属学会・委員会
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日本語学会
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訓点語学会
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アメリカ言語学会
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日本歴史言語学会
研究テーマ
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日本語における漢字を媒介とした意味借用という現象について研究しています。日本は古代よりアジアの文化的中心地であった中国と盛んに交流してきたことにより、言語の面において多くの影響を受けています。このなか、「一」「二」「三」、「学校」「勉強」のような漢語借用(受容)はよく知られていますが、語彙の借用以外には日本語の固有の語彙である和語も意味の面において影響を受けていることは重要な事実です。例えば、和語の「あかす」はもともと「明るくする」「夜明けまで過ごす」という意味しか持たなかったが、漢文訓読において、「明」という字の訓として定着することにより、本来持たなかった「明らかにする」という意味を「明」字から取り入れました。「明」字には、和語「あかす」の本来の意味(基本義)とも重なる「明るくする」という意味があるため、「あかす」はその訓として定着したが、漢文訓読において「明」字の「明らかにする」の意味にも当てられたため、この意味が日本語の中へ取り入れられることになったと考えられます。平安時代においては、「明らかにする」という意味の「あかす」は漢文訓読の文章でしか現れませんが、中世・近世以降、この意味が徐々に日本語の一般の文章まで広がっていきます。
実際、このような漢字を媒介とした意味借用の例は日本語においてたくさん存在しますが、語彙借用のように目立たず、その存在に気づきにくいため、これまでにはほとんど取り上げられてきませんでした。この意味借用という現象は「あかす」のような啓蒙をあらわす表現のほかに、書記行為をあらわす表現、仏教用語、政治用語といった中国からもたらされた新たな文化概念をあらわす表現において起こりやすいと考えらえるが、この現象を明らかにすることは、日本語史だけではなく、言語借用における文字の役割を示すため、言語接触論にとっても重要な課題であるといえます。
研究経歴
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日本語における漢字を媒介とした意味借用の研究,2007年04月 ~ 継続中
言語接触、意味借用、書記行為表現、啓蒙表現、中古・中世漢字仮名交じり文データベース
論文
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啓蒙表現における漢字を媒介とした意味借用―和語「あかす」の意味変化過程における「明」字の影響―,国語文字史の研究,13 ,2012年03月
ジスク・マシュー
単著
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意味の上の漢文訓読語―和語「あらはす」に対する漢字「著」の意味的影響,訓点語と訓点資料,125 53-78,2010年09月
ジスク・マシュー
単著
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和語に対する漢字の影響―「写」字と「うつす」の関係を一例に―,漢字教育研究,(10) 6-45,2009年03月
ジスク・マシュー
単著
科研費(文科省・学振)獲得実績
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基盤研究(B),2019年04月 ~ 2023年03月,多言語による日本語学用語辞典および日琉諸語の用例に対するグロス規範の作成
日本語学関連
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基盤研究(B),2018年04月 ~ 2020年03月,日本語と近隣言語における文法化の基礎的研究
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若手研究(B),2016年04月 ~ 2019年03月,言語接触論・通言語学的観点から捉えた日本語の形成における漢文訓読の役割の再検討
担当授業科目
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2019年度,海外研修実習(英語3)
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2018年度,History of the Japanese Language
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2018年度,English through Multimedia(英語2)
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2018年度,English through Multimedia(英語2)
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2018年度,English Communication Skills B(英語2)
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2018年度,English Communication Skills B(英語2)
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2018年度,English for Science and Engineering B(英語2)
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2018年度,Introduction to Japanese Linguistics
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2018年度,異文化コミュニケーション実習B(英語3)
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2018年度,English Communication Skills A(英語2)
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2018年度,English Communication Skills A(英語2)
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2018年度,English Communication Skills A(英語2)
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2018年度,English Communication Skills A(英語2)
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2018年度,English Communication Skills A(英語2)
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2014年度,History of the Japanese Language Ⅱ
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2014年度,英語B
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2014年度,英語B
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2014年度,英語B
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2014年度,英語B
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2014年度,英語B
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2014年度,History of the Japanese Language I
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2014年度,英語A
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2013年度,英語B
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2013年度,英語B
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2013年度,英語B
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2013年度,英語B
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2013年度,英語A
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2013年度,英語A
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2013年度,英語A
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2013年度,英語A
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2013年度,英語A
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2013年度,英語A
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2013年度,英語A
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2013年度,英語A
社会貢献活動
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新聞・ラジオを通しての研究紹介,2007年04月 ~ 継続中
これまでには、『河北新報』および『朝日新聞』、また東北放送(TBCラジオ)を通して、自分の研究について紹介しています。
相談に応じられる分野
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日本語学、日本語史、漢字学、歴史言語学、言語接触論、英語教育、異文化コミュニケーション