科研費(文科省・学振)獲得実績
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基盤研究(C),2026年04月 ~ 2029年03月,卵巣癌腹膜播種におけるがん関連線維芽細胞に着目したプラチナ抵抗性促進機序の解明
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基盤研究(C),2022年04月 ~ 2025年03月,IgG4関連唾液腺炎に特異的な線維化誘導の分子メカニズムの解明
IgG4関連唾液腺炎(IgG4-SA)は、線維化により既存の唾液腺組織が消失しその機能が低下する疾患である。IgG4-SAの線維化のメカニズムはIgG4陽性形質細胞を含むB細胞が関与しており、唾石による慢性唾液腺炎(Chronic-SA)とは異なる。 予備実験でIgG4-SAとChronic-SAとを比較した結果、線維化する領域や浸潤する形質細胞の数が異なるため、IgG4-SAには特異的な線維化誘導のメカニズムがあると考えた。本研究ではIgG4-SAに特異的な線維化誘導の分子メカニズムをChronic-SAと比較することで解明を目指す。
IgG4関連唾液腺炎(IgG4-SA)は、二次リンパ濾胞形成と著明な線維化を特徴とする疾患である。本研究では細胞間相互作用に着目して、IgG4-SAの線維化メカニズムを検討した。二次リンパ濾胞に近い領域ではⅢ型コラーゲン優位の未熟な線維化がみられ、多数のFAP+線維芽細胞がみられた。また、90%以上のMUM1+形質細胞が線維芽細胞の20μm以内に集積することを示した。さらに、形質細胞はPDGFβを発現し、線維芽細胞はPDGFRβとその下流分子のpSTAT3を発現していた。IgG4-SAにおいて、形質細胞がPDGF/PDGFR経路を介した線維芽細胞を活性化し、線維化を促進することが示唆された。
gG4関連疾患に対する標準的治療は副腎皮質ステロイドの内服であるが、治療中止後に再発を来す症例も少なくない。そのため、ステロイドに代わる治療選択肢の開発が臨床上の課題となっている。本研究では、IgG4関連疾患の主要な病態である組織線維化に着目し、IgG4関連唾液腺炎を対象として線維化の機序解明を試みた。その結果、形質細胞がPDGF/PDGFRシグナルを介して線維芽細胞を活性化し、線維化を誘導している可能性が示唆された。本研究は、線維芽細胞の活性化を標的とした新規治療法の開発につながる可能性があり、再発予防や副作用の少ない治療の実現に貢献することが期待される。